「息子が統合失調症だと診断されてどうしたらいいのか分からなくて頭がおかしくなりそうなんです。先生助けて下さい！｣という電話があったのは、２０１６年も押し詰まった１２月の初旬の事だった。
息子さんの年齢は２０歳で医学部を目指していたが２浪してしまっているという受験生であった。
彼の父親は医師であったが専門外だったので他の精神科医に任せる事になったらしいがその精神科の医師には「これは間違いなく統合失調症です。薬を出しますから飲み続けて下さい。飲まないと大変な事になりますよ！｣と言われ出された薬を飲んでいる状況だがどうしても統合失調症とういう病名が納得できないという事であった。
電話をくれたのはお母さんで、混乱しているというより錯乱に近い状態と言って過言ではない状況であった。
「まずは一度来院して下さい！｣
と言って即日診療を試みた。
なるほど・・・これは統合失調症と診断されても致し方ないな・・という症状がいくつか見受けられた。
しかし、私には改善させる自信があった。
その根拠は何か？と訊かれると長年の経験からくる感触・・といった様な曖昧な表現になってしまうが確実に治せる自信があったのである。
その為に私はいくつかの条件を出した。
第一は私に丸投げにするのではなくお母さんの私の技法を習得して息子さんを私とサンドイッチにして治療する協力をすることであった。
母親はキョトン顔をして
「私も何かやるんですか？｣
「いや、何も高度な事を要求はしていません。ただ私の気功法を習得して１分でも１秒でも長く息子さんに気功をそばで浴びせて下さい｣
「それをやらなければ治りませんか？｣
「それでも治るかもしれませんが、時間が何倍にもかかりますので受験には間に合わなくなります。｣
その言葉を聞いて母親の顔色が変わった・・・
統合失調症は一度発病すると一生治らない病気と言われている。精神科医から間違いなく統合失調症と言われた時点で入試どころの話ではなくなっていたのである。
「先生！この子は、入試を受けられるんですか？｣
「もちろんそのつもりですけれど・・｣
「本当ですか？・・｣
母親の目に涙が溢れた。
「分かりました。何でも言う通りに致しますから絶対に治してあげて下さい｣
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